二郎・インスパイア系は「乳化系」と「非乳化系」にジャンル分けできる。乳化とは「本来混ざり合わないものが混ざり合うこと」という意味らしい。
ラーメンの世界ではスープに脂が溶け込んでいる状態を指す。それは濁った見た目で、まろやかでクリーミーな味わいをしている。
自分の中で宇都宮市の乳化系といえば「らーめんO」だ。4年前にオープンした店で、ひっそりオープンしたものの飛ぶ鳥を落とす勢いで一躍人気店になった。
場所は宇都宮市宝木町、宇都宮駅西口から大谷に向かう県道70号沿いにある。近くには落合書店や教育会館などがあり、問題になりがちな駐車場も合同駐車場があるので安心だ。
いつも並ぶ前に食券を買うのだが、これが正しいのかいまだに分からない。壁際に中待ち椅子があり、そこが一杯なら玄関に向かって立って並び、それでも一杯なら外で待つ。
平日でも外待ちが発生するので驚きだ。平日の11時に行っても既にカウンターと中待ち椅子が満席であることが多い。
メニューは基本のらーめん、汁なし、つけめん、塩つけめん、まぜそばと豊富だ。麺量も少なめ160g、普通250g、大盛り400gから選ぶことができる。
200gか300gという構成が多い中で、160gと250gというのはなかなか珍しい構成だと思う。そして麺の硬さが調整できるのもありがたい。
こちらがらーめん少なめ850円。トッピングは全て普通でお願いした。もうしばらくこのスタイルだ。これが自分にとってベスト。自分好みを追求できるのもこれ系の楽しいところ。
スープはド乳化で一口飲んだ瞬間に濃厚な旨味を感じる。恐らくトッピングのもやしとキャベツは別々に茹でて別々に添えられる。どこまでも丁寧で上品だ。
2枚乗っている豚も厚みがありながら柔らかい。そして忘れられてはならないのがカウンターの上で瓶に入っているニンニクだ。「らーめんO」ではニンニクはセルフだ。
「らーめんO」に行く人は、インスパイア系が食べたいというより、この「らーめんOの味」が食べたくて行っているのではないかと思う。少なくとも自分はそうだ。
駅から離れているのでふらっと立ち寄る店という感じではない。それなのに平日も休日も昼も夜も混んでいるのだ。
自分も学生の頃は自転車で片道1時間かけて店に行っていた。10時に家を出て11時に着いて、12時くらいに食べ終わって13時くらいに帰るような感じ。
それだけの時間と労力をかけてでも食べたくなる。気になっているけどまだ食べたことがない方はぜひ行ってみてほしい。
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