2025年は残すところ今日のみとなった。今年も色々な場所に出かけたが、最後に年末年始の旅行ということで宮城県に行ってきた。

朝7:30の宇都宮駅東口、さすがにまだ人はそれほど多くない。宇都宮テラスの横をLRTが走る光景もすっかり日常となった。

東西自由通路を抜けて新幹線改札へ。ゼッテリアでは朝のコーヒーを飲んでいる人が多くいた。新幹線横のベックスには入ったことがない。

年末の帰省ラッシュと重なるので、あらかじめ行きの切符を買っておいた。切符購入の際にQRコードで乗車を選択すれば、改札でQRコードをかざすことで新幹線に乗車できる。
9時台の新幹線の予定だったが満席だったので1時間前倒し、それでも横並びの2席は残りわずかという状態だった。

東北新幹線やまびこ123号仙台行きに乗る、山形方面に向かう山形新幹線つばさ123号と福島まで一緒に走る。指定席なら乗車列に並ばなくて良いので楽だ。

やまびこ123号の停車駅は郡山、福島、終点の仙台。宇都宮から1時間ちょっとで仙台に着いてしまうので、ぼーっとせず外の景色を良く見ておかなければならない。
最初の目的地は松島なので仙石線へ乗り換え。乗り換え時間が10分しかなく、仙石線のホームが結構遠かったのでここで体力を消費した。

あおば通から石巻へ向かう仙石線で松島海岸へ。松島海岸で9割くらいの人が降りた、他にはアウトレットがある中野栄で降りる人がちらほらだった。
この付近では仙石東北ラインや東北本線が並走するが、これらは松島海岸には停車しないので松島観光には仙石線を利用することになる。

2021年にリニューアルされたようで、前回来た時とは印象が変わりモダンな雰囲気になっていた。ここから歩いて観光船乗り場へ。
駅のロータリーにも乗船券売り場があった。ネットで予約しておいたので、時間と名前を言ったらスムーズに券を買うことができた。公式サイトで予約していたので900円だった。

メインの仁王丸コース(一周50分)の他にも複数コースがあり、コースごとに乗り場が分かれている。仁王丸コースは全て自由席で早い者勝ちなのでできるだけ早く並ぶのがおすすめ。

1階が自由席、2階がプラス600円のグリーン席になっている。事前予約はなく乗車後に1階のカウンターで600円支払うと階段を登って2階に行くことができる。

チケットを回収しながら人数を数えていたので、座席に座れないということはないと思う。30分前に並んだら十分に好きな席を選ぶことができた。

50分の仁王丸コースがスタートした。桂島の周囲を一周する形となっており、コースの外側に数多くの島がある。左右どちらに座るかで見える景色がだいぶ変わってくる。
福島あたりまでは雲が多かったが、仙台に着いたら快晴で遠くの山までよく見えた。海の上から山を見るというのは貴重な体験なのではないかと思う。

それぞれに島に名前が付いており、自動音声ガイドが島の名前などを解説してくれる。外の展望デッキで風を浴びながら見るのも良い。いつでも自由に船内とデッキを行き来できる。

また乗りたいと思う素敵な船旅だった。11時の船に乗ったのだが、船を降りると人が増えており、年末の観光地という感じがした。

松島海岸の通りには多くの飲食店が立ち並んでいる。牛タンか海鮮丼で迷ったが、並びの少ない牛タン「牛たん炭焼 利久 松島店」に入った。
どこかのフードコートで見かけたこともあるが、やはり本場の利久は一味違うのではないかと期待を抱いた。年末の12時に並び2組、15分程度で座ることができた。

王道の「牛タン定食」をはじめとして、海鮮丼とのセットや生牡蠣など豊富なメニューだった。食べたい量に応じて牛タンの枚数を選べるのが良い。

こちらが牛タン定食3枚6切(税込2,695円)で和菓子も一緒に付いてきた。歴史的背景により麦飯がデフォルトのようだ。ネギの下には骨付きテールが2つ沈んでいた。

厚みがありながらも柔らかい食感の牛タンが麦飯と合う、テールスープと合う、付け合わせの白菜とも合う。小鉢の牛タン佃煮や和菓子もおいしくて、全体として満足度の高い食事になった。

食後に歩いてすぐ近くの瑞巌寺(ずいがんじ)へ。伊達政宗が創建したお寺で、本堂や庫裡(くり)が国宝に指定されている。

とても雰囲気の良い場所で、歩いているだけで清々しい気持ちになった。貴重なものを見学するにはお金がかかるが、その手間の道を歩くだけでも十分に満たされる。

海岸の方に戻って五大堂という場所へ。慈覚大師が延福寺(瑞巌寺の前身)を開いた際、五大明王像を安置したことが由来のよう。

道中の赤い透かし橋は気を付けて歩く必要があり、これなら確かに身が引き締まると思った。拝観は自由で時間は日没まで。

次に、福浦島へ向かうために福浦橋(ふくうらばし)へ。手前のレストハウスで渡橋券(税込200円)を買うと渡ることができる。
全長252メートルの朱色の橋で、縁結びのパワースポットしても有名だそう。このあたりでHPゲージが赤色になってきた。

橋を渡って福浦島に着いた。面積6haの小島で遊歩道が整備された公園になっている。貝塚や弁財天など史跡も残されている。
休憩所と弁財堂を経由して最奥の見晴台まで歩いた。道中では四季折々の草花が楽しめるということで、普通の散歩コースとしても良いと思った。

平坦な道ばかりではなく起伏があり歩くたびに踵に衝撃が走る。湾に浮かぶ小島だからか「クマ注意」の標識は特になかった。出会ったところでどうにもできないが。

午後になると少しずつ雲が増えてきたが、曇り空の松島というのも悪くなかった。これが「ああ松島や」と呼ばれる所以であろうか。太陽が隠れると海沿いは寒い。

松島海岸駅近くの宮城県松島離宮に立ち寄った。2020年開業の新しい商業施設で、カフェ、グルメ、工芸体験、庭園など何でもある。
目的はタリーズコーヒーで、2階にも座席があり窓際では松島湾を一望できる。通り沿いにもカフェはたくさんあるが、行き慣れたタリーズが一番心安らげる。

日の入りを過ぎた頃、再び仙石線で仙台へ。仙台方面ホームには展望台があり薄暗い松島湾が見えた。行きが混んでいたので帰りも混んでおり、15分前にホーム端に並んでギリギリ座ることができた。

宇都宮市の2倍の人口110万人、そして東北の玄関口とありやはり大都会。特に西口は繁華街として栄えており、駅から通りに出るだけでも一苦労。

仙台駅3階(新幹線改札階)には牛タン通り、すし通り、ずんだ小径というご当地グルメが堪能できる通りがある。宇都宮駅にも餃子のそれがあるが、規模感が宇都宮の比ではなかった。
昼は牛タンだったので夜は寿司ということで、YouTubeで多くおすすめされていた「仙令鮨(せんれいすし)」へ。

ガラス張りになっているので通路から店内が見える。メニューと値段が書いてあるので、並び中に頼むものを決めておくとスムーズだ。

まずは鮪3貫セット(税込1,100円)から。まぐろと中トロとネギトロと思われる。味が付いているのでそのままでもとのことだが、しっかり醤油を付けて頂いた。

何か塗ってあるような感じで、確かにそのまま食べてもおいしかった。一番左が炙りサーモンで炙りと塩味がたまらなくおいしかった。仙台に来たら確かにおすすめの店だ。

食後の運動に仙台駅東口にも行ってみた。家電量販店やショッピングモールなど、こちら側も賑わっており混雑していた。

西口には非常に長いアーケードが複数あり、それぞれに名前が付いている。碁盤の目のように整っており、今自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。

青葉通から少し離れた、雑居ビルの地下にある「集合郎 はなれ」という店に入った。狭い店内は忘年会のような人が多く、観光客向けより地元民向けという印象。
メニューには東北のご当地グルメもあり、笹かま炙りだけ食べたがおいしかった。そして写真のにんにくチップが乗ったきゅうりがMVPだ。

年末の21時ながら隣には誰もおらず、他は個室だったのでガヤガヤ騒音が扉一枚隔てて聞こえてくるいい感じの雰囲気だった。

翌日、地下鉄東西線の大町西公園から仙台へ。仙台城の近くではあるが起伏が激しく体がもたないので、大人しく仙台からバスに乗ることにした。

地下鉄に乗って3分で仙台駅に戻ってきた。ここから「るーぷる仙台」という循環観光バスに乗って仙台市内を観光する。

バスが出た直後なのに人がいると思ったら、前のバスに乗れなかった人たちのようだ。自分が乗ったバスにも乗り切れない人たちがいた。小型バスなのでキャパシティが大きくない。
一日乗車券が税込630円、一回乗車が税込260円なので3回乗ればお得と思いきや、一日乗車券で割引が効く観光スポットがあるので2回乗れば十分お得になる。

仙台駅から10分程度で瑞鳳殿(ずいほうでん)に着いた。こちらに伊達政宗の霊屋があるという。バス停を降りてから最後までずっと坂だった。

こちらもるーぷる仙台一日乗車券での割引があった。調べでは見学料570円だったが、資料館が整備中のためか少し安かった気がする。

戦災での焼失により現在のものは1979年に再建されたものだというが、50年前に建てられたとは思えないようなポップな色使いに感じた。上の骨組みに青や緑が使われているのが印象的。

内部は右回りの一方通行、途中には逆走対策か謎の自動ドアもあった。瑞鳳殿から順路で進むと善応殿や感仙殿があり、こちらも同じように豪華絢爛な造りであった。

再びるーぷる仙台に乗って仙台城跡へ。るーぷる仙台は右回りの一方通行なので、自ずと瑞鳳殿から仙台城跡という順番になるだろう。

仙台城は伊達政宗が築いた山城であり断崖絶壁、現在は本丸跡に伊達政宗が馬に乗っている像が立っている。仙台市内や遠くに海も見えて、仙台を代表する観光スポットと思われる。

遠くには高崎観音のような白く巨大な立像が見えた。東北一の大都市、山、海をいっぺんに見ることができるその光景は新鮮なものである。

これぞ「仙台といえば」ではないだろうか。躍動感があり今にも走り出しそうな雰囲気だ。せっかくなので近くのファミリーに写真を一枚お願いした。
あまり印象になかったのだが駐車場の方にはお土産店やフードコートがあった。そばやうどんなどの普通の食事もあり、コーヒー(税込250円)と牛タンカレーパン(税込500円)を買った。

仙台城跡から歩いて最寄りの国際センター駅へ。歩いて20分と聞くとどうってことないが、山を降りるのでなかなかの疲労であった。国際会議やイベントの拠点、その他様々な施設がある。

青葉通一番町から少し歩いて「だし廊 仙台南町通り本店」へ。今年8月に閉店してしまった四季彩、あの貝だしラーメンを失った心の傷がまだ癒えていない。

飛魚だし、貝だし、鶏だしの3本柱、人気店のようで13時半で10人くらい並んでいた。店内はグローバルでインドカレー屋みたいない雰囲気だった。

貝だし塩そば(税込1,000円)は貝の味がストレートに伝わるスープで、うっすら写っている平打ち麺がパスタのようなうどんのようなマカロニのような不思議な食感だった。

鶏だし生醤油そば(税込870円)は打って変わって今時な淡麗系、あっさりした味わいの細麺ラーメンでかけそばの汁のように本当にあっさりだった。

ベローチェでコーヒーを飲んで仙台駅西口のAER(アエル)という商業施設へ。ショッピングモール棟とオフィス棟で構成されている。そのオフィス棟31階の無料展望デッキへ。

雰囲気は栃木県庁展望ロビーに近く、しかし外のため風と寒さがあったので長居はできない。こちらは東方面、遠くに見える青いのが海。

個人的には東北新幹線が見えるのが良いポイントだった。仙台を通過する新幹線はないのでスピードはゆっくりだが、この高さから新幹線を見るというのは宇都宮ではできない。

そして仙台駅に戻って3階すし通りの「すし 三陸前 仙台駅店」へ、昨日の仙令鮨の隣にある。こちらは座席があり、紙に書いてオーダーなので落ち着いて食べることができた。

この通りで最も行列だった善治郎、持ち帰りができるというので帰りの新幹線に合わせて牛タン弁当をお願いした。例えば「20時受け取りで」のように時間もお願いできる。

この日は帰省ラッシュピークで、上り新幹線は混雑による遅延が起きていた。一方の下りはガラガラで、3両分しかない自由席でも席を選び放題の状態だった。

発車まで時間があったので顔の写真を撮った。東北・北海道新幹線E5系は路線によって「やまびこ」「なすの」などの愛称があり、宇都宮ー盛岡間では最高速度320km/hもの猛スピードで走る。

東北新幹線やまびこ158号東京行きで宇都宮に帰る。1泊2日での仙台旅行だったが、本当にあっという間に帰りの新幹線になってしまった。

ここで満を持して善治郎の牛タン弁当のおでまし。駅弁もまた旅の醍醐味である。出来立ての状態なので紐を引っ張って温めるタイプの弁当ではない。
さすがに店で食べるほどの出来立て具合ではなかったが、あの大行列の牛タンを新幹線の中で食べることができるのは魅力的だ。昨日の利久よりもコリコリ感や炙り感が強かった。

夜は暗いのでよく分からないうちに宇都宮に着いた。やまびこと、途中の福島から一緒のつばさを見送って改札を出て帰路に着く。

宇都宮テラスはイルミネーションされていた。そうして1泊2日の年末旅行は終わり、いつもの日常へと戻っていく。


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